バッグパイプの故郷スコットランド
スコットランドはイギリスの北部地方で、英国本土の1/3の面積を占めています。
高緯度地方ですが、海流の影響で極寒の地ではありません。北部は山岳地帯になっています。
はるか昔、紀元前10世紀頃に大陸からケルト人が移住し、以後ローマ帝国の支配やゲール人の入植など複雑な歴史が繰り広げられます。
中世の群雄割拠時代を経て9世紀になってスコットランド王国が成立、以後長く南のイングランド王国との紛争が続きます。18世紀になって結局大英帝国の一員となり、現在に至ります。
スコットランドの首都は東のエジンバラ、最大の都市は西のグラスゴーです。古くは石炭の産地、近年は北海油田が基幹産業ですが、ウイスキーの生産でも有名です。
キルトとタータン
スコットランドの民族衣装として有名なのが、スカート型のキルトとその生地のタータンです。
キルトはその昔、大きなウールの布を身体に巻きつけたことから始まり、18世紀頃に現在のプリーツのあるスカート式に完成しました。キルトを作るウールの布がタータンで、 格子柄の綾織りでできています。
タータンの柄は家系や地域などに由来していて、今ではその数が三千とも五千とも言われています。
余市パイピングソサィエティでは写真の「ロイヤル・スチュアート」柄を使っていますが、これはその名の通り王室由来のタータンです。
ドレスアップ
バッグパイプのバンドは基本的にスコットランドの民族衣装を着用します。一般的なのは写真にあるような汎用型です。
グレンギャリ―という帽子をかぶり、プリンス・チャーリーかアーガイル型のジャケットを着ます。 キルトの上からスポーランという小バッグをつけます。
長靴下ホーズは上をガーターフラッシュで止め、そこにスケンドゥというナイフを入れます。ギリーブロウガスという革靴は編み上げ紐を靴下の上まで巻きます。
こういった一般的な服装の他に、軍楽隊などは独自のジャケットを着用したり、専門のバッグパイプバンドではキルトを上半身まで巻く古典的な服装をしたりもします。